2010年12月4日土曜日

魔法にかけられて


金曜ロードショーで「魔法にかけられて」やってたね。


俺は昨日より少し前に「魔法にかけられて」を観たんだけど


率直に言うと、ガッカリした。


それも、序盤のアニメシーンの時点で。



ディズニー作品の没落を印象付けるような映画だった。


メタ発言やネタに走る展開が多すぎて、チープ感が半端ない。


よくある、登場人物を殺して客の涙を誘うのと同様。


チープなコメディ作品という印象が強い。


昔のディズニー作品は、ネタに走らず


純粋な面白さだけで客を感動させていたはず。


ウォルト・ディズニーが生み出した伝統を


今のスタッフが皮肉り、泥を塗った最低の作品。



自分は今まで下記の作品を観てきたが


古くからのディズニーファンは


この作品に対してあまり良い印象を持っていないのでは?


今までディズニー映画が嫌いだった人間が好みそうな映画。


自虐的な作品でドン引きした。



白雪姫

ピノキオ

ファンタジア

ダンボ

バンビ

シンデレラ

ふしぎの国のアリス

ピーター・パン

眠れる森の美女

101匹わんちゃん

王様の剣

ジャングル・ブック

くまのプーさん

リトル・マーメイド

ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!

美女と野獣

アラジン

アラジン ジャファーの逆襲

アラジン完結編 盗賊王の伝説

ライオン・キング

ライオン・キング2 シンバズ・プライド

ポカホンタス

ノートルダムの鐘

ヘラクレス

ムーラン

ターザン

ダイナソー

アトランティス 失われた帝国

リロ・アンド・スティッチ

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

南部の唄

メリー・ポピンズ

トイ・ストーリー

バグズ・ライフ

トイ・ストーリー2

モンスターズ・インク

ファインディング・ニモ 



今のディズニーはテーマパークのみだと痛感した。


昔のディズニー作品は良くて、今のディズニー作品はダメだという人に対して


俺はそんなことはないと思っていたが、この映画を観て俺もそう感じるようになった。


コレが、あの世界の頂点だったディズニー作品?


この程度じゃ、ドリームワークスやワーナーにすら劣るのではないかと思う。


もちろん、アニメ技術は今でも頂点だとは思うが。


そして、何よりもこの作品を評価する人が多いという現実。


まあ、ディズニーは顧客が最も重要と考えているから


伝統よりも評価されることを選ぶのかもしれないが、皮肉なものだ。



「それは、ディズニー史上最も“アリエナイ”魔法」


というのが、この映画のキャッチコピーだが、本当にその通りだと思う。


願わくば、こういう作品を作るのは今回で最初で最後にして欲しい。


個人的には黒歴史になるのではないかと思う。


しかし、どうやらめでたく続編が作られるようで。



内容についてだが


ロバートが、つまらない現実主義者でネガティブ思考な男で


個人的に嫌悪感を感じた。


ラストでも、ジゼルに助けられるという情けない男という印象。


そもそも、キャラクターの個性が薄い気がする。


ディズニー作品にいそうな姫と王子というだけで


この作品ならではの要素は、ほとんど見られなかった。


何よりも展開がチープに感じた。


過去のディズニー作品のアイディアを


セルフパロディという形で使いまわしているだけ。


特に、白雪姫と眠れる森の美女の要素が多く見られた。



ジゼルが現実の世界に毒されて、変化していくのが個人的には最悪だった。


この変化が現れ始めたとき、物凄く萎えた。


そもそも、何故ジゼルが現実の人間と結ばれるのか。


この映画のコンセプトが分からない。


「魔法にかけられて」というタイトルだが


現実で生きている人間が、ディズニーの世界の人間たちによって魔法をかけられ


離婚しそうになっていた夫婦がよりを戻したり


一緒に歌ったり踊ったりなどの展開は良かったが


ロバートがナンシーではなく、ジゼルと結ばれているのが謎。


現実の人間同士、ディズニーの世界の人間同士で


再び結ばれるという展開の方が良かったのでは。


と言うか、俺はそういう展開になると当然のように思っていた。



そしてエドワードの活躍の場がほとんどないということ。


本来ならば、ヴィランズと戦うのは王子であるエドワードのはず。


しかし、ラストは上記のような展開に。


ちなみにエドワードはナンシーとディズニーの世界に戻り、結婚した。



ディズニーの世界と現実の世界のコラボはコンセプトとしては面白いと思うし


観る前までは、とても面白そうだと思っていた。


久々の2Dアニメーションなのも嬉しかった。


しかし、この作品の場合、逆にそれが仇となっているという印象。



細かい部分だと、最後の屋根をすべるシーンでピタっと止まるのが不自然に感じた。


あの勢いでは飛び出していたはず。


雨で屋根も濡れていたし。


実写なのだから、そういう部分でのファンタジーはいらない。


あとは、ロバートが舞踏会のシーンで歌を囁くように歌うのが


個人的に気持ち悪いと感じた。



酷いことを言ってしまえば、ディズニー作品のブランドは地に落ちたのかなと。


もう映像作品を作るのはやめたらと、観ている際に本気で思った。



ただ、良い部分もあった。


ディズニーの世界の人間が、現実の人間に影響を与える展開は良かった。


また、こんな作品なため


エドワードの現実での粗暴な振る舞いがスカッとした。


そして、音楽の質だけは高い。


ミュージカルシーンは良かった。


やはり、ディズニーのこういった演出は


昔と変わらず世界トップクラスだなと思わされる。



この作品の展開に納得できる人なら


良い作品に見えるかもしれないが、個人的には駄作。


何もかもが中途半端でチープな印象。


ぶっちゃけ、アニメの画風もあまり好きではない。


今回の作品を観て


昔のディズニー作品のアニメーションは、実写よりも躍動感があるなと感じさせられた。


よく動き、表情が豊かだった。


本当に、昔のディズニー作品は素晴らしかったと思う。


恐らく、いくら日本のアニメでも、こうはいかないだろう。


ジブリ作品も何作も観ているが、ディズニー作品ほど良いとは感じたことがない。


「平成狸合戦ぽんぽこ」は、間延びしたような作品ではあるが個人的には好き。

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