■京アニ、放火容疑者と同姓同名からの応募作品を確認
(朝日新聞デジタル - 07月30日 19:43)
https://www.asahi.com/articles/ASM7Z65X6M7ZPTIL034.html
以前に、似たような日記を書いたんだけど
『気持ちは理解できる。』
https://sauzand.blogspot.com/2011/10/blog-post_23.html
クリエイターにとって、作品というのは我が子のような愛しく大切な存在。
「FINAL FANTASY」シリーズの生みの親である、坂口博信さんも
作品のことを、娘のような存在と語っている。
これは、モノ作りに携わる人間なら誰しもが抱く感情。
そんな愛しい作品を応募するということは、自慢の子供を他人に紹介する
または、娘を嫁がせるようなもの。
その結果、作品のアイディアだけ盗まれたということになれば
大事な子供を誘拐された、娘が性的被害にあった、恋人が寝取られたようなもの。
これは、何かを生み出したことがある人にしか分からない感情かもしれないが
強い怒り、もっと言うと、殺意に近い感情が込み上げてくる。
とは言え、“コピーされてこそ本物”なのも確かだ。
ココ・シャネルも言っていたし、横井軍平さんも言っていた。
横井軍平さんは、マリオやゼルダなどの生みの親である宮本茂さんの師匠的存在。
ウルトラハンドやゲーム&ウオッチ、十字キー、ドンキーコング、ゲームボーイなど
数々の作品を生み出した、日本のスティーブ・ジョブズ。
上記の作品を生み出したとき、多数の類似商品が出たらしい。
そんな、様子を見て発言したのが“コピーされてこそ本物”という言葉。
そんな横井さんも、就職活動は全滅で、任天堂に設備点検係として雇用された。
そこから、単なる花札・トランプ会社だった任天堂を
世界屈指のビデオゲーム会社に育て上げるのだからすごい。
そんな横井さんは、技術よりもアイディアだと言っていた。
そのアイディアを生み出す企画力で、活躍されてきた人だ。
今回の件に対しての反応で
「一次審査で落とされるぐらいだから駄作だったんだろう」とか
「駄作が採用されなかったからって逆恨みかよ」といった意見が多いことに驚く。
そもそも、今回の容疑者が応募した作品に目を通したことがないのにも関わらず
なぜ、そういった発言ができるのかが理解できない。
オーディションなどで、書類審査で落とされた人間が
その後に大成するというのは、珍しい話ではない。
エイブラハム・リンカーンも、何度となく落選した後に大統領になった。
ウィンストン・チャートルも、士官学校を何度も落とされた。
ウォルト・ディズニーも、新聞社を解雇された際に、想像力に欠けた人間と言われた。
ハリソン・フォードも、当時の副社長に才能が無いと言われた。
ビートルズも、大手レコード会社に軒並み契約を断られていた。
エルビス・プレスリーも、ラジオでのパフォーマンスを一度でクビにされた。
今が駄目だから、今後も駄目とは限らない。
少なくとも、成功者は諦めなかった。
だから今回の容疑者も、凶行に走らずに、諦めずに頑張ってほしかったな~と
ジャンルは違えど、クリエイターの端くれとして思ったりする。
前から思っていたことだけど、クリエイターと経営側の対立というのが気に食わない。
最近問題になっている吉本興業の件もそうだが、経営側はクリエイターを軽視しすぎ。
ワイドナショーで、松本人志さんも言っていた
「芸人いてのあんた達でしょ」
という言葉は、確かにその通りだと思う。
今回の件も、応募者側の作品を軽視しすぎた結果という見方もできる気がする。
応募者側は
「どうぞ、自分のアイディアを好きに使ってください」
という気持ちで応募しているわけではないだろう。
狂信的な京アニ信者なら、そういう風に思うかもしれないが。
これは、アニメ業界に限らず言えること。
アイディアが欲しいなら、引き抜け。
要らないのなら、盗むな。
アイディアだけ拝借して、生み出した本人は要らないなんて都合が良すぎる。
こういった悪質な行為をする企業も、残念ながら存在するようなので
全てのクリエイターは、自分のホームページを持ち
自分の作品を公開してから、応募したほうがいいかもしれない。
そうすれば、これは自分の作品だと堂々と主張できるし、根拠もある。
何も生み出せない人間に限って、アイディアを軽視するというのは本当かもしれない。
自分が何も生み出すことなく、便利で快適な生活が享受できているからかな。
想像力によって生み出されるアイディアというのは
知識よりも技術よりも、ずっと価値があると個人的には思っている。
『イマジネーション研究所 on TDL&EPCOT』
https://sauzand.blogspot.com/2011/09/on-tdlepcot.html
0 件のコメント:
コメントを投稿