2019年4月21日日曜日

アナログ思考ができない人

■「論破」したがる人への対処法は「中学生だと思って」 しいたけ.さんがアドバイス

(AERA dot. - 04月21日 11:30)

https://dot.asahi.com/aera/2019041800025.html



“アナログ思考”ができない人が最近多い気がする。


ネットでは、そういう人ばかり。


デジタル化が進み、ネット上での文字のコミュニケーションが増え


所謂、理系学問が重要視され、文系学問が軽視されている昨今。


“人間”とは、どういう生き物なのかということを知らない、考えようともしない。


理屈の上での正しさや、論理的な正しさばかりに重きを置いて


それらを投げかける相手の心情などは、一切考慮しないといった人が増えてきている。



言葉の上での戦争。


実際の戦争が何も生み出さないのと同様に、言葉の上での争いも何も生まない。


残るのは、憎しみと虚しさだけ。



言葉通りにしか捉えられない人も多くなった。


所謂、行間を読み取れない人。


代表的なのが、尾崎豊の曲。


「15の夜」や「卒業」では、バイクを盗むのはいけないことだとか


窓ガラスを壊すのはいけないことだとか、不良を賛美しているとか


そういった意見が、たまに見られるが


よく歌詞を読んでみれば


思春期での葛藤や足掻き、大人への不信感や自問自答などであることは明白で


決して肯定しているわけではない。


自由になれた気がした


先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか


あがいた日々も終わる


ここら辺のワードに、真意が隠されている。



また、言葉の上だけではなく


表面的な部分だけで判断する人も多くなってきた。


物事には、必ず原因というものがある。


いつ、いかなる時も、多面的な視点で物事を見ることが重要。


分かりやすい例では、加害者と被害者。


犯罪は、いけないことだ。そんなことは皆分かっている。


問題は、何故起こったのか。


それぞれのバックグラウンドを探っていかないと、解決しない問題が多い。


対症療法では、根本的な解決にはならない。


凶悪な事件や深刻な問題には


大抵、社会への不満や人間関係のトラブルなどが関与している。


つまり、不満を持たれるような問題や


争いの種になるような原因が隠されているということ。



今、日本のみならず、世界的に個人主義が強まりつつあり


“甘え”を許さず、何かや誰かへの依存も許さず、全て自己責任だという風潮がある。


しかし、根本的な話をすれば


そもそも我々人間自身が、常に何かに依存して生きている生物。


他の動物、植物、大気、天体など


広い視野で見渡せば、全て何かに依存し


共存共助で成り立っている世界だということが分かる。



他人に対して攻撃的な人は、日常生活において何か不満を持っていたり


満たされていない、幸福感のない日々を送っている可能性が高い。


つまり、余裕がなく、ストレスの捌け口を探している。


逆に、日常生活に満足しており


満たされている、幸福感のある日々を送っている人は


わざわざ他人に対して厳しく接する必要性がない。


むしろ、優しく、親身になってくれる可能性が高い。



全てに言えることだが、失敗をしない人などいない。


周りに迷惑をかけたことがない人などいない。


天才や成功者でさえ


いや、むしろ天才や成功者ほど、周りに迷惑をかけている人間が多い。


偉大な先人たちは、問題児だったり、落ちこぼれだったり、破産経験者だったり


波乱万丈な人は決して少なくない。



自分が常々思っていることがある。


失敗しない方法も確かに重要だが


“失敗しないように”ではなく、どうやって“失敗から立ち直るか”の方が重要だろう。


失敗のない人生など、ありえない。


あったとしても、それは本人の実力ではなく、運が良かっただけだ。


自分一人の力よりも、周りの助けの方が、はるかに重要なこと。


そういったことを、学校教育の、道徳の授業では教えてほしいと思う。


デジタル化が進む現代だからこそ、アナログ思考の重要性に気付くべき。


機械はデジタルだが、人間はアナログだ。


無機質な人間ほど、人間としての魅力に乏しい人間はいない。

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