2008年2月2日土曜日

シェンムー ~莎木~


シェンムーっていう作品を知ってる人いるかな。

俺は当時なんとなくは知ってたし、テレビとかで映像を観たことあった。


ずいぶん前にDC買って最初に買ったソフトはシェンムーだったんだよね。

当時は全く意識してなかったけど、

DC生産終了して数年経ってからなんとなくシェンムーに興味持ち始めて、

一昨年にDC買って、その後すぐにシェンムー一章を買った。

DC自体はその前から欲しいって思ってたんだけどね。


龍が如くっていう作品はみんなきっと知ってると思うけど、

その作品はシェンムースタッフが作ったなんてウワサも耳にしたことがあって、

発売日からそんな日が経たないうちに買ってクリアした覚えがある。

俺は何より現代風っていう世界観が大好きで、

N-Ageやジェットセットラジオ、絶体絶命都市が好きなのはそれが理由なんだよね。

龍が如くは戦闘でいろんなものを武器として使えたりするし、

実在の街をベースにリアルに作られているから買った。

まあ、操作性がアレだし街を見回せないし、街歩いてるとしつこく絡まれたりで

ちょっと微妙なところもあるけどね。


シェンムーをやってみた。

DCっていうハードはPS2に負けて生産終了してしまったハードで、

正直“昔”のハードだって思ってた。

けど、凄くリアルで綺麗なグラフィックだった。

全体的に見ればPS2の方がグラフィックは綺麗だけど、

部分的に見るとPS2に勝っている優秀なハードだったね。

キャラクターの表情とかが凄いリアルなんだよな。

ネット機能もいち早く搭載していたしな。

当然ネット対応ゲームもあって、

ジェットセットラジオではネットで好きな画像をDLして

グラフィティとして実際にゲーム内で使用することができたんだぜ。


シェンムーっていう作品は制作費が数十億掛かっているという事で話題を呼んでいた。

建築設計士にスタジオジブリ、ハリウッド等から人材を集めて製作された大プロジェクトで、

ドリームキャストという言葉にふさわしい作品だったんじゃないかな。

壮大なストーリー、音楽、演出、キャラクターの個性、マップの作りこみ、ミニゲーム。

どれをとっても凄い出来だった。


N-Ageや、他の現代風の作品をプレイしているとき、

自動販売機や店などで買ったマネとかをして遊んでいた記憶がある。

「なんだよ買えねーのかよw」とか言いながら。

それがフツーだったから何にも気にすることなくね。

でも、このシェンムーという作品は、

実際に自動販売機で飲み物を買うことができ、駄菓子やでお菓子を買うことができ、

家では実際に引き出しを開けて中を調べることができる。

さらにはゲームセンターでも様々なゲームをプレイすることもできる。

街の住人一人一人に話しかけることができ、それぞれちゃんとした名前があり、

本当にその世界で生活している人々と触れ合うことができた。

俺がずっと求めていた作品だった。

今度はマネじゃない。本当に買えるんだ。

そう思ってとても喜んだ覚えがある。


セガは常に10年先を行っている。

そういう言葉が結構ゲーマーからは言われているみたいで、

当時から10年経った今だったら確かに性能的にも表現可能で、

みんなにも受け入れられたかもしれない。

10年早いという言葉がこれほど納得できる意味を持ったことは

俺の記憶の中ではないんじゃないかな。


主人公の父親の死から始まる壮大な物語は、

その高い質とは裏腹に、世間から高く評価されることなく、

二章で幕を下ろすことになってしまった。

二章のエンディングが衝撃的なのは恐らくそのせいだと思う。

自分たちの思い描いた世界を、作品を作れなくなってしまったスタッフ達の悲しみが、

そのエンディングからとても伝わってきた。


シェンムーは凄く惜しい作品だと思う。

一言で言ってしまえば、“時代が合わなかった”んだろう。

俺はまだシェンムーを、少しかじった事しかないようなヤツだけど、

あの個性的なキャラクターたちとのやり取りや、

主人公の行く末をもう見れないことを素直に残念に思った。

その意思は龍が如くで受け継がれたなんて話があるけど、

シェンムーと龍が如くは全くの別物だと思う。

物語の壮大さ、スケール感、音楽、格闘の迫力、街の作りこみ。

何より、製作スタッフの志が感じられなかった。

シェンムーはその強い志を感じることができた。

セガの本気を感じることができた。

愛情や熱意さえ感じられる気がした。

いかにこの作品を大切にしていたか。

今のゲーム会社もこういった強い志を感じるような作品を作ってくれないかな。


このスケール感はもはや今でも世界で随一じゃないかな。

“壮大”この言葉がこんなにしっくり来る作品は今までに見た事ないな。

あのエターナルアルカディアをも凌ぐ気さえする。

シェンムーの壮大、且つ圧倒的なスケール感にはホント素直に感動させられるよ。

海外では「skies of arcadia」、「shenmue」として両作品とも高く評価されているところが、

何より本物の証って感じかね。


俺の目標となる作品にまた一つ、凄いのが加わったな。

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