2011年7月21日木曜日

「うしろの正面だあれ」 戦前~戦時~戦後の日本


すごく久しぶりに「うしろの正面だあれ」を観た。


当時はジブリだと思っていたけど、虫プロの映画だった。



当時、子供ながら何度も観て何度も泣いていた覚えがある。


今改めて観て、やっぱり泣けた。


この映画は海老名香葉子さんの実話。



やはり、今の日本はとても恵まれている。


この時からもう70年近く経っている。


エンターテインメントというよりも、歴史的史料として価値のあるものだと思った。


平和な日常の、ちょっとした描写や演出が秀逸だった。


こんな時代はもう二度と来ないように努力しなければならないな。


こんな時代、一体誰が望むんだろう。


平和すぎるぐらい平和な今の日本では


この映画はまるでフィクションやファンタジーのように思えるかもしれない。


けど、これはたった数十年前に本当に起こったことであり


香葉子さんの実話なんだということ。


現代を生きる人間としては、やはりにわかに想像できない時代だ。


この時代を生きていた人にしてみれば


現代はまるで天国のような時代なのかもしれない。


当時の誰もが望んだであろう戦争のない(日本では)時代。



一方で、現代の日本が学ばなければならない


思い出さなければならない部分も多々あった。


一家の長男が退院した時、町内の人達がみんなで祝ってくれていた。


夜は、家族全員で長男の退院を祝った。


その他にも、家族の絆や近隣の人達の温かさがとても感じられた。


今の日本は、戦争で誰かを失うことなどはほとんどないが


その裏返しなのか、家族との関係や近隣の人達、友人との関係が希薄


ドライな気がしてならない。


いわゆる昭和ノスタルジーの魅力とは、そういう部分にあるんだろう。


今の日本にはないものだから魅力的に感じる。



海老名香葉子さん、よく生きたな。立派だな。


「香葉子は、美人じゃないけど、明るくて愛嬌があって人に好かれる子だからね。

 だから自信持たなきゃね。」


「母ちゃんが言ったでしょ。

 香葉子は明るくて誰にでも好かれる子だから一人でも大丈夫だって。」


俺は、この時代に生まれていたら生きていけなかっただろう。


この時代、この国、この環境に生まれてこれて本当に良かった。


やっぱり女性は強いな。そして母は偉大だ。



この作品は、永遠のバイブルにしよう。


かつてこういうことが実際にあったという歴史的史料として。


温かい家庭や、人間関係が描かれた作品として。




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